カラオケで友だちから「音程はとれているんだけどなんか下手に聞こえるんだよな」なんて言われたことはありませんか?
歌は音程が合っていることが上手い下手の一つの基準なのに、「音程が合っているのに音痴」なんて言われても、どうしたらいいかわからないですよね。
実は、間違った音程やリズムのほかにも、歌を下手に聞こえさせる原因がいくつかあるんです。
でも、音程やリズムがとれているのであれば、あと少しちょっとしたことに注意してトレーニングすれば、「下手に聞こえる」なんて言われないように、 歌唱力を向上させることが必ずできます。
そこで、本記事では「歌が下手に聞こえる原因とその改善策」についてわかりやすく解説しています。
本記事を参考に、「歌下手」なんていった友だちを見返して、ウタウマの称号を勝ち取りましょう。
音程は正しく認識できて歌えるのに、なぜか歌が下手で音痴に聞こえてしまう原因は、主に下の3つなります。
と、いきなり原因を3つ言われても、なぜこれらの原因で歌が下手に聞こえてしまうかよく分からないでしょうし、とくに「表現テクニックが足りない」と言われてもなんのことを言っているのか分かりづらいですよね。
この3つの原因については後ほどくわしく解説していきますが、その前に、なぜ音程は合っているのに歌が下手に聞こえてしまうことが起こるのか理解していただくために、そもそも歌・曲というものはどのように形作られているかについて少しお話しします。
小中学生の頃、「音楽の3要素」について授業で習ったのを覚えていらっしゃる方もいるかもしれません。
音楽を形作る「音楽の3要素」とは、「リズム」「メロディ」「ハーモニー」の3つがあると一般的に言われています。
「リズム」「メロディ」についてはなんとなく分かると思いますが、「ハーモニー」は「ハモる」という言葉でも知られるように、かなりざっくり言うと「色んな高さの音が重なって響いていること」です。
その「音楽の3要素」の歌への応用版で、歌というものを形作っているものとして「歌の4要素」と言われることがあります。「歌の4要素」は↓の4つになります。
リズム・メロディについては、「音楽の3要素」と共通していますが、歌は基本的に一人で行うことから、ハーモニーの代わりに「強弱」と「音色」が加えられています。
今回の「音程は合っているのに下手に聞こえる」というテーマは、この「歌の4要素」に照らし合わせると、「リズム・メロディは正しいが強弱・音色が不足している」と言い換えることができます。
つまり、現段階で達成できている「正しいリズム・メロディ」に加えて、「十分な強弱・音色」が加われば、上手く聞こえるように歌えるというわけです。
ここでいう「強弱」というのは、「抑揚(よくよう)」「メリハリ」のことで、分かりやすく言うと「曲の部分により声量を上げたり下げたりする」ことです。
また、歌における「強弱」は、歌の「表現力」を高めることにもつながります。
つぎに、歌の要素「音色」についてですが、「音色」はイコール「表現力」と言えます。
歌の「表現力」というと、よく「曲に気持ちを込めて歌う」とか「歌詞の意味を深く掘り下げて歌う」などと言われますが、「つまりどうすればいいの?」って思ってしまいますよね。
そんな精神論みたいなことではなく、歌の「表現力」は、先ほどの「強弱」とか、後でくわしく解説しますが、歌に関するいくつかの「テクニック」をおさえることによって高めることができます。
ここで、音程は合っているのに下手に聞こえる3つの原因に少し話を戻してまとめると、つぎのようになります。
また、「発声」や「滑舌」は、「表現テクニック」を身につけて歌に活かすための基礎になっているという関係になっています。
「なぜ音程は合っているのに歌が下手に聞こえてしまうことが起こるのか」その原因について少し理解していただけましたでしょうか?
つぎに、ここでの話を踏まえて、歌が下手に聞こえてしまう原因に対する改善策について解説していきます。
音程は合っているのに歌が下手に聞こえてしまう原因についてお話してきましたが、ここでは、「発声が弱い」「滑舌がよくない」「表現テクニックが足りない」という3つの原因それぞれに対して改善する方法を解説していきます。
発声が弱いと、歌に強弱(抑揚)もつけづらくなりますし、なにより弱弱しい発声では、せっかく正しい音程で歌えていたとしても、気持ちよく歌声を響かせることができません。
かといって、無理やり大声を出すのでは本末転倒ですし、ノドを傷めてしまうことにもなりかねません。
以下の3つのポイントをおさえて、発声を改善してみましょう。
歌う際にリラックスした正しい姿勢をとるだけで、ノドの力みなどが抜けて、正しい発声に必要な腹筋がちゃんと働くので、かなり発声しやすくなります。
歌う際の適切な姿勢については、こちらの動画で解説されているので参考にしてください。
あまり口が開いていないと、ぼそぼそ歌っているような感じになってしまいますが、ただ大きく口を開けて歌うのでは、アゴやノドの力みにつながってしまい、声が思うように出ないということにもなります。
↓の動画を参考に、適切な口の開け方を身につけて、歌うときに意識してみましょう。
歌うときに、安定的な声量を確保するには腹式呼吸での発声が不可欠です。ノド声では、声帯に負担がかかりノドを傷めてしまうことにもなりかねません。
こちらの動画でわかりやすく解説されていますのでトレーニングしてみましょう。
以上、3つのポイントを意識してトレーニングを行い、発声を改善させていきましょう。
滑舌がよくなるだけで、歌の印象が劇的に変わってきます。
滑舌が悪いと、正しいメロディ・リズムで歌えていたとしても、どこかたどたどしいような印象を与えてしまいます。
また、滑舌が悪いことにより歌詞に追いつけず、音程をくるわせてしまうことにもつながりかねません。
滑舌をよくするには、口周りや舌を鍛えるためにある程度トレーニングが必要です。
トレーニング方法については、ボイトレ関連のサイトなどでいろいろと紹介されていますが、ここでは↓2つの方法を紹介します。
リップロールとは、口から息を吐いて唇をプルプルと震わせるトレーニングです。
リップロールは、一般的には高音発声に効果があると言われていますが、顔の筋肉をリラックスさせたり口周りを鍛えるという意味で滑舌改善にも効果があります。
リップロールのやり方については、こちらの動画でくわしく説明されています。
タングトリルというのは、舌(tongue)で震え声(trill)を出すことで、いわゆる巻き舌のことを言います。
タングトリルを行うことによって、舌の動きを良くしたり舌の筋肉を鍛えることができるので、滑舌を良くする効果が期待できます。
タングトリルの具体的な方法については、↓の動画を参考にしてみてください。
また、こちらの記事では、口や舌のウォーミングについて紹介していますので、あわせて確認してみてください。
歌が下手に聞こえる3つ目の原因として、歌を表現するテクニックが足りないということがあります。
精神論ではなく、テクニックですので、コツさえつかめば誰でも身につけることができ、そのテクニックによって誰もが歌の表現力を高めることができます。
では、そもそも歌をうまく聞かせることができる表現力に関わるテクニックにはどんなものがあるのでしょうか?
歌の表現テクニックは、まとめると次の4つに分類することができます。
①→④の順で、コツがつかみやすく、表現力向上に効果が出やすくなっていますので、①から順にマスターしていきましょう。
では、①~④について少し解説していきます。
抑揚は、歌の4要素にも含まれる最も重要なテクニックの一つで、先ほども少し言いましたが、「曲の部分により声量を上げたり下げたりする」ということです。
一般的には、曲のAメロ・Bメロ・・とサビに向かって、曲の盛り上がりに合わせて徐々に(自然に)声量を上げていくことになります。
カラオケでは、マイクを口から離したり、近づけたりすることで抑揚を表現したりすることもできます。
ただ、どこでどのタイミングで抑揚をつけたらよいかわからない方もいらっしゃると思いますが、その場合は、やはりアーティストの歌い方を参考にしてみましょう。歌い方をマネしてみてもいいです。
また、↓の動画も参考してカラオケなどで実践してみましょう。
歌の盛り上がるポイントなどで、伸びのある声で長く発声するのがロングトーンです。曲を盛り上げたり余韻を残すなど表現力を高める効果があります。
ただ、ロングトーンはしっかり発声できていないと、息が続かなかったり、音程がはずれてしまうことになりかねません。
先ほど紹介した発声のポイントを意識して、ロングトーンを歌に取り入れてみましょう。
ロングトーンについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
ビブラートとは、声を伸ばす部分で、規則的に音程を震わせて歌うテクニックのことです。
ビブラートで歌うと、例えば、語尾を「あーーー」と伸ばす曲では、「あぁあぁあぁ」と音程を上下させて発声することになります。
ビブラートには、普通に歌うと単調な音程に、響きを与えることによって強調したり余韻を残したりする効果があります。
また、ビブラートには心理的に人の感情を揺さぶる効果もあると言われていますので、そういった意味でも歌の表現力を高めることにつながります。
ビブラートの練習方法についてはこちらの動画で解説されていますので、ぜひ挑戦してみてください。
こぶし・しゃくり・フォールには、ビブラートと同様に、歌に余韻や印象を加える効果があります。
こぶし・しゃくり・フォールが具体的にどういうものかについては、こちらの記事でわかりやすく説明しています。
ただ、表現テクニック初心者の段階では、使いどころが難しかったりするので、無理して取り入れなくてもいいと思います。
もし、①抑揚~③ビブラートまでをマスターして、さらに表現力を高めたい方は、↓の動画も参考にぜひチャレンジしてください。
いかがでしたでしょうか?
今回は、正しい音程で歌っているのになぜか下手に聞こえてしまう原因と対策についてまとめてみました。
音程やリズムが正しく認識できているということは、今回の記事で紹介した下手に聞こえてしまう原因を少し意識してトレーニングするだけで、ウタウマになれる可能性を秘めています。
ただ、歌の表現力の向上は、独学ではなかなか難しい部分もあると思いますので、行き詰ったらボイトレスクールのレッスンなどもうまく活用して歌のテクニックを磨いていってください。